リターゲティング広告とは?仕組みやメリットを解説【初心者向け】

高いコンバージョン率を誇るリターゲティング広告は、一度サイトに訪問歴のあるユーザーに絞って広告配信ができる方法です。一度興味や関心を持っているユーザーに配信できるので、コンバージョンにも繋がりやすいです。

本記事では、リターゲティング広告の仕組みや費用、メリットについて知りたい企業のマーケティング担当の方に、リターゲティング広告について解説をしていきます。

新規顧客が獲得できず、他の方法で売上を上げたい方は、特に最後までご覧ください。

目次

リターゲティング広告の仕組みは?

リターゲティング広告の仕組みは、リターゲティング用のタグを設置することで、訪問ユーザーに「Cookie(クッキー)」を付与することができ、Cookieから得られたユーザーの概要をもとに、別のサイトを閲覧している際に広告を表示することができるというものです。

「Cookie(クッキー)」とは、サイトの訪問ユーザーに対して、データを一時的に保管しておく仕組みのことで、ウェブサイトのログイン状態をキープしたり、リターゲティング広告を配信する時に活用されます。

リターゲティング広告が必要とされる理由

では、なぜリターゲティング広告は必要とされるのでしょうか?

それは、サイトに訪れる人の多くがコンバージョンしないことが大きな理由です。

ユーザーは、商品を知ってサイトを訪れた時に、他のサービスと比較して購入するかどうかを決めます。実際その場で購入しないで、サイトから離れるユーザーも多く存在します。

一般的に、コンバージョン率の平均は2〜3%と言われています。業界別に見ると、コンバージョン率は以下の通りです。

業界別リスティング広告ディスプレイ広告
自動車6.03%1.19%
BtoB3.04%0.80%
消費者サービス6.64%0.98%
Eコマース2.81%0.59%
教育3.39%0.50%
人材5.13%1.57%
金融・保険5.10%1.19%
健康・医療3.36%0.82%
家庭用品2.70%0.43%
産業サービス3.37%0.94%
法律6.98%1.84%
不動産2.47%0.80%
テクノロジー2.92%0.86%
旅行・観光3.55%0.51%
出典:WordStream「Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]

業界によって、コンバージョン率も変わります。購入せずに離脱してしまったユーザーを逃さないためにもリターゲティング広告で、再度アプローチをかけることが重要です。

リターゲティング広告の種類

以下の媒体すべてで、リターゲティング広告を配信することができます。

・Google広告
・Yahoo!広告
・Facebook広告
・Instagram広告
・LINE広告

媒体ごとに管理画面があり、リターゲティング広告用のタグを設定することで、リターゲティング広告の配信が可能になります。

またそれぞれの媒体で、7種類のリターゲティングの方法があります。

1.標準リターゲティング
2.アプリリターゲティング
3.動画リマーケティング
4.Googleアナリティクスリマーケティング
5.顧客リストによるリターゲティング
6.検索広告向けリターゲティング(RLSA)
7.動的リターゲティング

順番に解説していきます。

1.標準リターゲティング

サイトに訪問歴のあるユーザーが、ディスプレイ広告の配信ネットワークの中にあるサイトやアプリをみている時に、広告配信できる機能です。

2.アプリリターゲティング

広告主が所有するアプリ内の行動履歴によって作成したユーザーリストを用いて、広告を表示できる機能です。

3.動画リマーケティング

広告主が持つYouTubeのチャンネルのページや、動画を見たことがあるユーザーに広告を表示できる機能です。YouTubeアカウントとGoogle広告を連携して利用できます。

4.Googleアナリティクスリマーケティング

Googleアナリティクスの計測データを基準として、Google広告のユーザーリストを作成できる機能です。

5.顧客リストによるリターゲティング

広告主の持つ、顧客の電話番号や住所などの情報を暗号化された状態で媒体にアップロードし、顧客情報に基づいたユーザーリストを作成できる機能です。

6.検索広告向けリターゲティング(RLSA)

ウェブサイトにアクセスしたことがあるユーザーが検索している時に配信する機能です。

7.動的リターゲティング

ユーザーが見た商品やサービスに応じてカスタマイズされたメッセージを表示し、サイトへの再訪問を促せる機能です。提供する商品やサービスの種類が様々ある場合に、より効果的なリターゲティングができます。

様々な方法があるので、自社にあったリターゲティング広告を試してみてください。

リターゲティング広告のメリット

ではリターゲティング広告には、どんなメリットがあるのでしょうか?

1.ターゲットを絞って配信ができる
2.迅速にユーザーにリーチできる

それぞれ、順に解説していきます。

1.ターゲットを絞って配信ができる

リターゲティング広告は、サイトのCookieを基にターゲットを絞り込むことができます。そのため、広告を配信する場合にCPA(顧客獲得単価)の抑制が可能です。さらに、広告の無駄打ちを防ぐため、効果的に広告を配信することができます。

2.迅速にユーザーにリーチできる

過去にサイトを閲覧したユーザーや、アプリの使用経験のあるユーザーが、他のサイトを見ている時に広告を表示することができます。

その結果、次の検索機会をスキップして広告を配信できます。

リターゲティング広告のデメリット

メリットがある一方で、リターゲティング広告にはデメリットもあります。

1.広告配信の初期段階には向かない
2.マイナスイメージを持つ可能性がある
3.広告担当者の教育コスト

リターゲティング広告を配信する前に、チェックをしましょう。

1.広告配信の初期段階には向かない

リターゲティング広告は、過去に接点を持つユーザーに対して配信する広告のため、新規の顧客には不向きです。

またリターゲティング広告は過去のデータが必要な配信になるため、顧客のデータがない限りは効果的な広告配信とは言えません。

データを集めるにも時間がかかるため、配信のタイミングには気をつけましょう。

2.マイナスイメージを持つ可能性がある

サイトに何度も同じ広告が表示されると、広告に対して不快だと感じるユーザーもいます。

広告を何度も表示させると、提供先の企業にもネガティブな印象を持たせてしまうこともあるので、注意が必要です。

3.広告担当者の教育コスト

運用型広告の実施や改善は、担当者の経験に大きく左右されます。

ターゲティングや入札、クリエイティブなど常に見直しが求められるため、カバーすべき領域も広がっていきます。そのため、担当者の教育コストがかかり、外部に広告運用を委託する場合は別途コストもかかります。

さらに、LPの品質など周辺施策の見直しも必要です。中長期的に取り組む前提で運用を進めてください。

リターゲティング広告設定方法の4つの手順

ここまでリターゲティング広告の特徴について、解説しました。次は実際に設定する方法をご案内します。今回は、Google広告を例にして進めます。

1.リターゲティングタグを取得・設定
2.リターゲティングリストの作成と設定
3.ディスプレイキャンペーンを作成
4.リストを紐付ける

ステップごとに順番に解説します。

ステップ1:リターゲティングタグを取得・設定

右上にある「ツール設定」を開き、「オーディエンスマネージャー」をクリックしてください。

左側にある「データソース」を開き、「Google 広告タグ」の「タグを設定」をクリックしてください。

その後設定方法を選択してください。設定方法は3種類あるため、自社に合うものを選択してください。タグのリターゲティングをしたいサイトやページに埋め込むことができれば、リストの作成に移ります。

ステップ2:リターゲティングリストの作成と設定

「ツール設定」を開き、「オーディエンスマネージャー」をクリックしてください。

その後、左上部にある「分類して表示」を選択しましょう。「+」をクリックすると、サイトを訪れたユーザーなどを選択できます。

次に、必要項目を入力して、「オーディエンスを作成」をクリックしてください。「オーディエンスマネージャー」から作成したリストのデータを見られるようになるので、データが貯まっているかどうか確認しましょう。

ステップ3:ディスプレイキャンペーンを作成

Google広告の管理画面にログインし、キャンペーンタブに移動してください。「新しいキャンペーン」をクリックしたあと、マーケティング目標に移ってください。自動化の設定を行う際に役立つので、目標に合わせて選択しましょう。

キャンペーンタイプで「ディスプレイ」を選択します。必要に応じて、キャンペーンのサブタイプを選択し、広告グループまで作成してください。

ステップ4:リストを紐付ける

キャンペーンまたは広告グループ単位で作成したリストを紐付けます。「オーディエンス」を開き、「オーディエンスセグメントの編集」をクリックしてください。

リストを追加するキャンペーンまたは広告グループを選択し、「閲覧」を開いて、「ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法」「ウェブサイトに訪れたユーザー」をクリックし、対象のリストをチェックしましょう。

リターゲティング広告の効果を高める3つのコツ

1.リーセンシーの調整

リーセンシー(ユーザーが広告に接触する間隔)が長ければ長いほど、CVRは低下していきます。この商材に対して、どれぐらいの検討期間が必要なのか、CVRのターニングポイントはどこなのかを見極め、リーセンシー毎に入札を調整することで、同じ予算の中でも一番確度が高いユーザーへ多く広告を配信する事ができます。

2.ターゲットの掛け合わせ

リターゲティング広告は、ウェブページ訪問など自社と接点があったユーザーに広告の配信ができます。さらにユーザーの興味関心カテゴリーや検索履歴を使用したターゲティングを掛け合わせる事もできます。

様々なターゲットの組み合わせを検証し、より成果の高いターゲティング設定を目指しましょう。

3.配信面を豊富に揃える

ディスプレイ広告の特徴として、配信面が豊富なので、より多くのユーザーに広告を配信することができます。

一方で、各配信面の特徴によっては、商材のターゲットに合わないユーザーへ配信が出てしまう場合もあります。

どの配信面に広告を表示するかで、成果につながるのかを確認しながら配信をしましょう。

リターゲティング広告を導入する際の2つの注意点

注意点1.フリークエンシーの設定を厳密に

リターゲティング広告のデメリットで記述した通り、同じユーザーに何度も広告が表示され、広告に対してマイナスイメージを持たれる可能性があります。それを防ぐために、フリークエンシーキャップ(表示回数制限)をかけることをおすすめします。

注意点2.ターゲティングの過剰な絞り込みをしないこと

確度が高いユーザーへ配信を絞ることが可能ですが、絞りすぎてしまうと配信量が大幅に減少する可能性があります。ターゲティングの精度を高めることも重要ですが、配信量に問題がないかも必ず確認を行う必要があります。

今後のリターゲティング広告について

個人情報保護の背景から、Cookieの規制が強まっています。リターゲティング広告は、サードパーティーCookieを活用した広告なので、この影響を受けることは避けられません。

サードパーティーCookieの規制により、ユーザーの行動をもとにしたターゲティングが難しくなります。各媒体や計測ツールで、Cookie規制への対策が進められているため、各社どのような対策をしているのか、どのような仕様なのかを把握する必要があります。

その上で、改めてターゲットとなるユーザーの解像度を高め、そのユーザーへのターゲティング方法を見直す必要があると思います。

まとめ

リターゲティング広告は、顧客のデータが集まってから行うのが有効な広告です。

よりコンバージョンを高めるためには、自社の商品をどの層が購入しているのかを明確にすることです。

自社の予算を考慮し、誰に運用を任せるのか考えながら、配信を心がけてみて下さい。

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