データフィード広告とは?始め方、運用のコツ、種類を徹底解説

ユーザーのデータに基づき、自動で広告配信ができるデータフィード広告は、コンバージョン最大化に最適な広告です。

しかし、サイトやプログラミングの知識などが無ければ、効果的な配信が難しいため、注意が必要です。

本記事では、データフィード広告の役割や要素、メリットや使える媒体などが知りたい企業のマーケティング担当者に向けて、データフィード広告の始め方や種類、運用のコツなどを解説します。

目次

データフィード広告とは

「データフィード」とは、商品情報データ(商品の画像や価格、色、商品名など)を各広告媒体のフォーマットに合うように変換したもののことで、それらをもとに配信される広告のことを「データフィード広告」と言います。

例えば、Amazonや楽天市場などのモールでネットショッピングをしている際に、一度クリックして閲覧した商品の情報を記録し、他のサイトを閲覧しているときに、その人が興味のある商品や同一の商品の広告が、表示される機能のことです。

データフィード広告と相性が良い業種

データフィード広告は、EC ショッピングモールなど提供している商品が多い場合に、活用することをおすすめします。

多大な商品数/サービス数を保有するケースの場合、商品の在庫の変動に合わせたり、商品やサービス数の増減によって、広告の変更や管理を行うことは非効率です。

そのようなケースでもデータフィードを使用すれば、一括で管理したり、自動更新ができるので広告運用者の負担が減るでしょう。

特に相性の良い業種は、サービスや商品数の多い転職/就職サイト、不動産ポータルサイト、旅行サイトなどです。類似商品が多い業種であればあるほど、それぞれ個別の広告設定をしなくても、広告運用をしやすいという利点があります。

データフィード広告のメリット2つ

データフィード広告を活用することでどんなメリットがあるのでしょうか。メリットは、以下の2つです。

1. 自動でユーザーに合った広告配信ができる
2.データ変換工数の削減

順番に解説していきます。

1.自動でユーザーに合った広告配信ができる

データフィード広告を使うことで、自動でユーザーの興味や関心、商品閲覧や購買履歴に合った広告配信ができます。

配信する広告のビジュアルは、ユーザーの閲覧履歴やアドネットワーク上の行動履歴により、広告媒体が一番最適だと判断したクリエイティブが選定され、それぞれにマッチするユーザーに配信されます。

例えば、上記のようなクリエイティブがデータフィード広告の参考事例です。ユーザーの動向に合わせて最適な広告が表示されるため、ユーザーも思わずクリックしたくなる可能性が高まり、その他の広告配信に比べてコンバージョン率も高いと言えます。

2.データ変換工数の削減

データフィード広告は、商品データを複数の広告配信媒体に合ったフォーマットに自動変換して配信することができます。

GoogleやFacebookなど、複数の媒体に出稿する場合、各媒体ごとのフォーマットに変換するだけでも工数がかかるため、自動で変換してくれるデータフィード広告を選べば、運用に必要な工数を削減することが可能です。

データフィード広告のデメリット3つ

工数を減らし、ユーザーに合った配信ができるメリットがある一方、デメリットも大きく分けて3つあります。

1.導入の難易度が高い

データフィード広告は、リスティング広告やディスプレイ広告などの他の広告に比べて、導入の難易度が高いと言われています。理由としては、データフィードの作成が難しいこと、媒体ごとのフォーマットの調整が手間であること、動的なタグ設定が必要であることが挙げられます。

データフィードの作成と動的なタグの設定は、専門知識が必要なので、難易度が高い作業だと言われています。

特に運用するECサイトや商品フィード、データフィードの連携作業は、Webサイトの開発の知見が求められ、正しく連携できないと、フィード情報が不一致を起こし、正確な広告配信ができないケースがあります。

自社で専門知識を持った人材を採用するか、専門知識を持つ外部パートナーに相談するなどをして、難易度の高い作業にも対応できるように備えましょう。

2.フィードの情報更新・管理が煩雑

データフィード広告は、商品情報の更新に合わせてフィードの情報の更新や管理も必要となり、その作業も複雑です。

例としてECサイトでの広告運用ケースを考えてみると、以下のような登録情報の更新作業を行う必要があります。

・セール期間
・セール価格
・値下げ
・売り切れ商品
・新商品
・入荷予定日
・在庫数
・販売状況に合った商品説明文の微調整

抱えている商品数が多くなるにつれ、煩雑で時間がかかる作業になってしまいます。

さらに、複数の広告媒体を用いてデータフィード広告を使う場合、広告媒体ごとに商品フィードのフォーマットが異なるため、更新作業にも時間がかかります。

その場合は、更新作業を自動化するデータフィード管理ツールを扱うと、簡単に更新作業を行うことができるのでおすすめです。

3.データフィード広告に知見のある広告代理店が少ない

サイト開発からフィードの設計や連携、広告の運用まで、全てを扱うことのできる広告代理店は、国内で希少だとされています。

データフィード広告は、サイト設計やデータフィード構築、広告運用など成果をあげるためには総合的に運用することが重要です。

そのためにも、サイト開発の知見や実績がないと、適切な広告運用や助言ができず、スムーズに対応することが困難になります。

・サイトとフィードの連携不都合
・それぞれのフィードの連携不都合
・意図しない商品広告の配信
・フィードやサイト、広告媒体の連携不都合による効果計測不備
・広告を通じてのタグ発火の不都合

上記のようなトラブル対応の知見が必要な場合もあります。

サポート体制や知見、実績、料金体系など事前に確認して広告代理店を選別することが重要です。

代表的なデータフィード広告6種

データフィード投稿の種類は、以下の6種です。

1.Criteo
2.Google広告
3.Yahoo!広告
4.LINE広告
5.Facebook/Instagram広告
6.Indeed広告

順番に解説します。

1.Criteo

Criteoはデータフィード広告の先駆けのような存在で、フランスの会社が開発した最先端のAIを活用した広告媒体を指します。

主な特徴として、

・配信ネットワークが豊富
・配信エンジンが優秀
・クリエイティブが豊富

であることが挙げられます。

国内問わず、多くのアドネットワークに配信ができ、月間約20億人のアクティブなユーザーにアプローチが可能です。

2020年では、ECサイトの売上高の上位100社のうち、85%以上がCriteoを活用しています。

2.Google広告

Google広告のキャンペーンメニューで、データフィードを活用する広告は以下の通りです。

出典:Google広告ヘルプ「動的リマーケティング用のディスプレイ広告を作成する

種類概要
P-MAXキャンペーン様々な広告枠に機械学習を活用して最適な広告を自動配信
動的ディスプレイ広告(GDR)閲覧履歴に基づき、広告クリエイティブを自動作成して配信
商品リスト広告(PLA)検索結果に関連する広告を自動で配信
スマートショッピングキャンペーン(SSC)検索や閲覧履歴、興味関心に基づいて自動配信するショッピング広告
ローカル在庫広告(LIA)店舗の周辺で検索を行ったユーザーに対して、在庫状況や距離を表示して来店を促進

多くの広告配信がAIで自動化できるため、手離れの良いキャンペーンです。

AIによるクリエイティブやターゲットを自動で最適化が可能で、データフィード広告と相性の良い業種では、通常のリスティング広告やディスプレイ広告よりも高い効果が期待できます。

3.Yahoo!広告:Yahoo!動的ディスプレイ広告

出典:Yahoo!広告ヘルプ「動的ディスプレイ広告について

Yahoo!動的ディスプレイ広告は、Yahoo!のアドネットワーク上に広告配信ができるデータフィード広告を指します。

仕組みはGoogleのデータフィード投稿と似ていますが、Yahoo!のディスプレイ広告は、美容商材やECショッピングサイトに強い傾向があります。

4.LINE広告:LINE Dynamic Ads

出典:LINEヤフー for business「LINE Dynamic Adsを利用する

LINE Dynamic Adsは、LINEが提供しているサービス内に広告配信できるデータフィード広告を指します。

2023年4月のデータでは、LINEの利用率は83.7%と世代や性別問わず、コミュニケーションツールとして圧倒的なユーザー数を獲得しており、そのため、幅広いターゲット層にリーチすることが可能です。

さらに、LINE公式アカウントと連携すれば、戦略次第でより高い効果を得ることができます。

5.Facebook/Instagram広告:ダイナミック広告

出典:Meta「ダイナミック広告ガイド

出典:Meta「ダイナミック広告の効果を最大限に引き出す

FacebookやInstagramのダイナミック広告は、Facebook傘下のアドネットワークに広告配信できるデータフィード広告を指します。表示される自動生成の広告クリエイティブの種類も豊富で、視覚に訴求しやすいのが特徴です。

ユーザー固有のFacebook IDを広告配信の最適化に用いることで、クロスデバイスでも正確に、行動や閲覧情報を取得でき、高い精度でターゲティングできます。

現在、若い世代のInstagram活用が活発なため、相性次第で高い成果を見込めます。特に、今後大きく伸びることが期待されるInstagramショッピングで活用が可能であるのもお勧めの理由です。

6.Indeed広告:スポンサー求人

出典:Indeed「Indeed を利用して優秀な候補者へ効果的にアプローチ

Indeed広告は、世界最大の求人検索エンジンであるIndeedの検索結果の広告表示で、多くの求職者にアピールすることが可能です。

無料掲載の枠と同様の形式で広告も並んで表示され、バナー広告のような広告感の無さが特徴です。

掲載する方法は、直接投稿、クローリング、データフィード(XMLフィード)などがあります。データフィードを活用したIndeedの広告は、職種名や求人の詳細情報などの表示のコントロールが可能です。

データフィード広告の始め方

データフィード広告は以下のステップで進めて始めましょう。

1.商品情報のマスターデータの作成
2.商品フィードの各広告媒体規定に合わせた作成
3.広告タグの設置
4.広告キャンペーンの設定

順番に解説していきます。

STEP1.商品情報のマスターデータの作成

まず、元となる商品データのマスターデータを作成します。

・商品名
・価格
・在庫情報

など、広告配信に必要なデータを準備することが必要です。

社内の情報システムを担当する部署と連携して、データの準備を進めましょう。

STEP2.商品フィードの各広告媒体規定に合わせた作成

マスターデータを作成したら、各広告媒体のフォーマットに合わせた変換を行い、データフィードを作成します。

方法は以下の2つで、

・手作業で作成
・データフィードツールの使用

があります。

商品情報の更新が必要ない初期の段階では、手作業で入力しても問題ありませんが、使用する媒体やデータ量が増えると更新する頻度が増えるため、ミスを防ぐためにもデータフィードツールを使うことで、効率化や自動化を図るのが一般的です。

商品フィードの登録内容により広告クリエイティブが作られるため、成果に与える影響が大きくなります。データフィード作成は大切なプロセスなので、丁寧に進めましょう。

STEP3.広告タグの設置

広告の特性上、広告タグの設置が必要不可欠です。特に、ユーザーの行動を取得するために動的なタグが必要で、タグの設定には、JavaScriptなどのプログラミングの知識が必要です。社内のエンジニアと相談して、事前に相談する関係性を構築しておきましょう。

STEP4.広告キャンペーンの設定

データフィードとタグの準備ができたら、広告キャンペーンの設定を行ってください。どの広告媒体も大まかな流れは同じなので、まず1つの媒体に絞って理解を深めましょう。

データフィード広告の運用のコツ4つ

次に、データフィード広告を上手く活用するコツについて解説します。ポイントは以下の通りです。

1.商品フィードとデータフィードの一致率を高く維持する
2.適切に全ページにタグの設置を行う
3.データフィードの内容の充実
4.商品点数が多い場合のツールの活用

1.商品フィードとデータフィードの一致率を高く維持する

機械学習を進めて広告の成果を高めるために、タグとデータフィードの一致率を高く維持する必要があります。

タグとデータフィードの一致率は、サイトに掲載している商品情報が、データフィードに正しく反映できているかを表す指標です。この指標の数値が低いと、商品情報と広告の内容が一致しないので、成果が出にくくなります。

サイトで売り切れになっている商品の広告が配信された場合、クリックしても購買に至らないため、無駄になります。セール価格が終了している商品がセール価格で広告配信された場合、成果だけではなく風評被害に発展することもあります。

そうならないために、商品フィードとデータフィードの情報の一致率を定期的に確認しましょう。

2.適切に全ページにタグの設置を行う

広告を適切に運用するには、サイトの関連ページ全てにタグの設置が重要です。

広告媒体のAIによる機械学習を促進させるため、全ての集客ページに計測タグを設定して、広告配信のデータ収集漏れを防ぐ必要があります。

GTMなどを活用してタグ設置を簡略にして、定期的にタグの発火状況を確認し、タグが正常に稼働しているかどうかを確認するのがおすすめです。

ページの情報やレイアウトなどを改修した場合は、タグも正しく稼働しているかを確認しましょう。

3.データフィードの内容の充実

データフィードの項目は様々なものがありますが、できる限り埋めた方が成果が出やすいとされています。

データフィードの情報がクリエイティブやターゲティングに使われるので、情報が不足すれば精度も低くなるため、情報を常に最新のものに更新しておくことも重要です。

4.商品点数が多い場合のツールの活用

商品点数が多くなれば、手動で商品フィードやデータフィードを管理するのは複雑になります。

フィード情報の自動反映機能などを搭載したデータフィードツールが様々な会社からリリースされています。手動管理に不安を感じている担当者は、ツール導入を検討してみて下さい。

まとめ

ユーザー個々人のサイト閲覧履歴や商品の購入履歴をもとに、パーソナライズされた広告の配信が可能になり、高いコンバージョン率が見込めるデータフィード広告。

メリットが多い広告ですが、自社の商品やサービスの種類や、ユーザーのデータが多くなるにつれて、使いこなすことも難しくなります。

データフィード広告をより効果的に運用するためにも、社内の部署との連携や自動化のツールを活用することは必要不可欠でしょう。運用しながら定期的に見直しを入れて、上手に活用していきましょう。

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