運用型広告のオペレーションセンターを構築する5つの手順

広告運用には、レポーティングや入稿などといった”作業”に当たるものが多数発生するため、それらに追われて分析や提案に時間を割けないなんてことはありませんか?

こうした負を解消するには、広告運用者がコア業務に集中できるような体制づくりが重要です。

今回は、広告代理店の中でオペレーションセンターをゼロから立ち上げるという経験をした私が、同じような悩みを抱える方向けに、どんなことに気をつければいいかといった情報をシェアさせていただこうと思います。

目次

オペレーションセンターが担う役割

オペレーションセンターの役割とは、『運用者がコア業務に集中できる状態を作ること』です。

オペレーションセンターがうまく機能することで、運用者は改善提案/新規提案/クライアントコミュニケーションなどのコア業務に時間を割くことができるようになり、担当するクライアントの案件数をもっと増やすことが可能となります。

オペレーション業務とは?

オペレーション業務とは、レポーティング業務、広告の設定/入稿業務、定例数値報告といったルーティン業務など、広告運用の中で日々発生する事務作業のことを指します。

これらは、誰がやっても成果物はあまり変わらず、忙しさが増すほどミスが発生しやすくなるので、そこをオペレーションセンターに一任せる形にします。

それによってコア業務に時間を使うことができ、成果物の品質を担保することにもつながります。

また、時間のかかる業務を効率化をすることで、対応可能なタスク量を増やしていき、マーケティング部署全体での担当可能案件数を増やしていくことができます。

オペレーションセンター構築の手順

1.巻き取るべき業務の洗い出しをする

まず、運用者の業務を一覧化して、どの業務から巻き取るかを決めましょう。

その際、可能な限り細分化しておくことが重要になります。

例えば、「分析業務」と一言で片づけてしまわずに、業務の中身を次のように細分化します。

①仮説立て
②数値の確認(レポーティング)
③分析
④改善策出し
⑤資料化


洗い出しをすることで、例えば②と⑤は、別の人でも対応可能ではないだろうか? と判断することができます。

細かい業務を巻き取ってもらうことで、運用者は分析/改善策にかける時間を増やすことができるようになり、結果として運用の品質の向上にもつながります。

2.依頼フローを整備する

業務依頼フローは、最初に整備して簡易化しましょう。

・依頼専用チャットグループを作り、それ以外での依頼やり取りは原則禁止とする
・依頼テンプレを作り、対応に必要な情報を依頼段階で記載してもらう

こうした依頼提出時のルールを最初に決めておくと、”漏れ”や”齟齬”が減るので、結果として双方の負担も減らすことができます。

逆に、メンバー間で自由に依頼をやり取りさせてしまうと、

・特定のメンバーに業務負担が偏る
・独自のやり取りが発生し、業務責任が不明瞭になる
・本人しか対応できない業務を抱えてしまう

といったリスクが発生してしまいます。

それではオペレーションセンターとして、品質の担保ができないので、「センターが抱えている業務」は、必ず複数人が確認できる状態にしておき、「メンバーなら誰でも対応できる状態」を保つことが、結果として品質担保に繋がります。

3.業務の型化をはかる

センター業務は、とにかく属人化を防ぐことが大事になります。

タスク属人化には、担当者が抜けたら「対応可能なメンバーがいない」状態になるリスクがあります。

センターは常に一定の品質で業務をこなし続けることが重要になるので、誰かが休むことで「業務を受けられない」という事態は避けるようにすることが大切です。

そのため、基本的にすべてマニュアルが整っている状態を目指しましょう。理想は次のような状態になることです。

・標準化されており誰でも対応が可能
・レクチャーの必要がない
・注意するポイントが文書などでまとまっている

上記が満たせるものであれば、どんな形式でも構いません。

文書としてまとめるのが難しい場合は、作業風景を録画して見てもらうだけにするといいかと思います。

誰でも対応できる状態にするために」ベストな方法を模索してみてください。

4.品質管理体制の構築

「ミスが起こらない」仕組みを作る

オペレーションセンターでは、基本的にミスがあってはいけません。そのための仕組み作りをしておくことが重要となります。具体的には次のようなことを徹底してください。

・Wチェック体制を組む
・複雑なものはチェックリストを用意する
・自動化可能なものは自動化する

業務内容によって最適な方法は異なりますが、特に「自動化」を強く推奨します。

システムを組むといった難しいことではなく、“関数”を利用するといった簡単なことから始めていきましょう。
複雑な作業の単純化”は、ミス率の低下に直結します。

人の手で作業する数を減らせば減らす程ミスは減るので、すぐにでも導入するようにしてください。

5.オペレーションセンターのメンバーを教育する

1.マニュアルを整備する

資料更新、レポート化、除外作業など、とにかく全てをマニュアル化します。

マニュアル化することで2回目以降は、レクチャーの時間を省くことができ、誰が対応しても同一の成果物を出すことができます。

最初は負担が増えてしまうかもしれませんが、限られたリソース内で成果物を保障するために、時間をかけてでも確実に整えていきましょう。

2.教材の準備する

会社に合った教材を一から準備できればよいのですが時間短縮のためにも、まずは”ジッセン”や”schoo”などのオンライン学習教材を頼るのが良いと思います。

ジッセン (超初心者向け)
広告媒体の説明/操作方法や、広告レポート作成方法、入稿の仕方など、”作業手順”を教えるのに向いています。

Schoo (初心者~中級者向け)
マーケティングの考え方や、クライアント報告で意識する点など、”考え方”を教えるのにおすすめです。

メンバーの知識が増えていったら、オペレーションセンターの組織内の教育フローを整えていきましょう。

・難度別に業務を切り分けて、習熟度に応じて割り振る
・発生頻度の高い業務の練習問題を作る

まとめ

オペレーションセンターの役割とは、「運用者がコア業務に集中できる状態を作る」ことです。そのためには、ミスが起こらないように品質を担保する体制が必要となります。

①業務を洗い出し、誰でも対応出来るものをピックアップ
②ピックアップした業務を元に、依頼の型を作る
③各業務の手順をセンターがマニュアル化する
④マニュアルを元に対応可能者を増やし安定させる

これらを意識してオペレーションセンターの立ち上げをしてみてくださいね。

コミュニケーション以上に細々とした作業が多い広告運用。オペレーションセンターを活用して業務を効率化することで、少しでも広告運用者の負担を減らすことができれば幸いです。

メルマガ登録

マーケティングの最新情報をお届けします

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

村野 匠のアバター 村野 匠 デジタルマーケティング事業本部

デジタルマーケティング事業本部 /マーケティングプランナー

2021年1月に中途入社。SORAMICHIでは金融業界のWeb広告運用をメインに担当。

目次