YouTube広告とは?種類、費用、出し方、運用のコツを徹底解説
今やいつでもどこでも手軽に無料でさまざまな動画コンテンツが視聴でき、市民権を得たYouTube。
月間視聴者数は7,000万人を超えており、大人から子どもまで、幅広い層に試聴されるプラットフォームに出す広告の効果は絶大だと言えます。
本記事では、そんなYouTube内に配信できるYouTube広告のメリット・デメリットや設定方法、豊富なフォーマットの種類について分かりやすく解説していきます。
YouTube広告への配信を検討しているマーケティング担当者の方はもちろん、YouTube広告に興味を持っている人も必見の内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
本記事で分かること
・YouTube広告の特徴
・YouTube広告を導入するメリット&デメリット
・YouTube広告の設定方法
・YouTube広告の事例
YouTube 広告とは
YouTube広告とは、代表的なものだとYouTubeを視聴しはじめる際に冒頭、もしくは動画内の途中で流れる5秒〜30秒ほどの動画広告のことを指します。
調査によると、20代〜30代の約3割が休日に3時間以上YouTubeを視聴しているそうです。これらのデータが示す通り、YouTubeは若い世代を中心に多くの視聴者に利用されており、それに比例してYouTube広告も多くの人に閲覧されていることが分かります。
そして、YouTube広告には8種類のフォーマットが用意されており、広告出稿の目的や、広告配信したいターゲットの属性によって使い分けることが可能です。
加えて、YouTube広告はGoogle広告の種類のひとつなので、Googleが保存しているユーザーの属性や行動履歴などを、そのままYouTube広告のターゲティング設定に活用できるのがポイントです。
出典:株式会社ヴァリューズ「【調査リリース】YouTube利用動向調査 利用率9割、男性は学び系・女性は熱量高く多様な動画を視聴 20代~30代の約3割が休日に3時間以上利用 ショート動画に代替されにくい“ながら見”コンテンツが若者に人気」
YouTube広告のメリット
まずは、YouTube広告のメリットからご紹介していきます。主なメリットは3点です。
1.一定の時間は必ず視聴される
YouTube広告の大きなメリットは、ユーザーが動画を再生すると必ず一定の時間は視聴される点です。
YouTube広告は再生されてから、ある一定の時間が経たないと広告をスキップできない仕組みになっています。
広告をスキップするまでにユーザーの興味関心を惹ければ、CV件数の増加につながります。
広告がスキップ可能になるまでに最短で5秒〜6秒ほど時間があるため、広告の最初の数秒間でいかに広告内容に興味を持ってもらえるかが重要です。
読者のみなさんも、普段何気なくYouTubeを見ているときに広告が流れたらスキップを押しませんか?つまり、無意識に興味のないコンテンツの場合はスキップする思考になっているため、最初の入りが最も重要であると言えます。
2.Google広告と同じターゲティング設定ができる
YouTube広告はGoogle広告の種類のなかの1種なので、Google広告と同じターゲティング設定が可能です。
ターゲティング方法の種類には、「オーディエンスターゲティング」と「コンテンツターゲティング」の2種類があります。
両者ともそれぞれ、Googleが提示した選択肢の中から配信したい属性を選んで、選択した属性のユーザーに広告配信できます。
それぞれの概要を説明していきます。
1.オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングは、簡単に言うと人に特化して広告配信する機能のことです。ユーザー属性の選択肢は、以下の通りです。
ユーザー属性 | 選択肢 |
性別 | 女性・男性・不明 |
年齢 | 18‐24・25‐34・35‐44・45‐54・55‐64・65〜・不明 |
子供の有無 | 子供あり・子供なし・不明 |
世帯年収 | 上位10%・11%〜20%・21%〜30%・31%〜40%・41%〜50%・下位50%・不明 |
続いて、オーディエンスセグメントの選択項目と選択肢は以下の通りです。
オーディエンスセグメントの項目 | 選択肢/詳細 |
詳しいユーザー属性 | ・子供の有無(0~1歳の乳児、1~3歳の幼児、4~5歳の幼稚園児、6~12歳の小学生、13~17歳) ・配偶者の有無(独身、交際中、既婚) ・教育(最終学歴、現役の大学生) ・住宅所有状況(住宅所有、賃貸) ・就業状況(業種、社員数) |
ユーザーの興味や関心、習慣(興味/関心) | ・スポーツ、フィットネス(スポーツファン、健康、フィットネスマニア) ・フード、ダイニング(カフェの常連、グルメ、ファストグード愛好家など) ・旅行(出張の多い人、旅行好き)など |
ユーザーが積極的に調べている情報や立てている計画(ライフイベント、購買意向の強いセグメント) | ・購買意向(アパレル、アクセサリ、イベントのチケット、家電、記入サービスなどの25種類 ※1) ・ライフイベント(マイホームの購入、大学卒、引っ越し、企業などの9種類 ※2) |
ユーザーがお客様のビジネスを利用した方法(類似セグメント) | ・自社データに基づいて、データセグメントやカスタマーマッチセグメントと似た特徴をもつセグメント新規ユーザーをターゲティング |
選択した統合オーディエンスセグメント | ・既存のセグメントを指定し、OR(いずれか) や AND(絞り込む)、NOT(除外)でセグメントを組み合わせてターゲティング |
選択したカスタムセグメント(カスタムセグメント) | ・ユーザーが最近 Google で検索した語句に基づいて、購買行動の中にいるユーザーへ向けたターゲティング(キーワードを指定して、ターゲティング設定) |
アフィニティセグメント | ・自社サービスや広告を出したいジャンルや語句で検索し、Google が用意している候補から選択 |
上記のように、「ユーザー属性」と比べて「オーディエンスセグメント」のほうがより具体的な項目を選択できるようになっています。
2.コンテンツターゲティング
一方で、コンテンツターゲティングは広告配信したい「キーワード」「トピック」「プレースメント」の3つを指定して広告配信します。
キーワードは自分が任意のキーワードに関連するWebサイトやサービスなどを入力すると、入力したキーワードに関係するワードが候補として出てくるので、その中から選択をします。
トピックは、あらかじめYouTube側が用意している種類の中から広告に関連するものを自由に選択します。プレースメントについては、YouTubeチャンネルやYouTube動画、ウェブサイトなどいくつかのカテゴリの中から選択可能です。
3.YouTube広告の活用方法や成功事例を公式サイトでチェックできる
YouTube広告の公式サイトを見れば、活用方法や成功事例を誰でも見ることができます。
動画広告は、獲得の余地がある市場のため、他のリスティング広告やディスプレイ広告と比較するとWeb上には成功事例や活用方法の事例が少ないのが現状です。
しかし、YouTube広告の公式サイトを見ると、広告用動画の作り方やコンバージョン率を上げるためのノウハウがたくさん発信されています。
これからYouTube広告を始めたい方でも、参考事例を真似できるのがありがたいポイントです。
「今まで広告配信を試したことがなく、上手く運用できるか不安」といった初心者の方でも安心です。公式サイトには、これからYouTube広告を始める方でもステップなどが分かりやすく解説されているので、チェックしてみましょう。
YouTube広告のデメリット
メリットがあれば当然、デメリットもあります。YouTube広告のデメリットは下記の2点です。配信前にポイントを押さえておきましょう。
1.ターゲティング設定を失敗するとイメージダウンに繋がる
YouTube広告配信は細かくターゲティング設定ができる反面、広告にまったく興味がないユーザーを誤ってターゲティング設定してしまった場合、そのユーザーに複数回表示されてしまいます。その結果、不快に思われて広告商品のイメージダウンに繋がる恐れがあります。
YouTube広告は一定時間を経過しないとスキップできないため、ユーザーを不快に思わせない適切なターゲティング設定が重要です。
また、同じユーザーに何度も同じYouTube広告を配信する場合、ユーザーからすると毎回同じ広告が流れるため、見飽きてしまい、ストレスに感じる可能性もあります。
YouTube広告の設定で、「フリークエンシーキャップ」という、1ユーザーに配信する広告回数を制限できる機能を上手く利用することで、広告の表示回数を制限することも可能です。
フリークエンシーキャップの機能を利用するのであれば、1ユーザーあたりに約10回以内が推奨とされています。
2.広告配信のためのハードルが高い
YouTube広告は動画広告であるため、撮影や編集など、広告配信までの工数が多く、準備が大変なのがデメリットです。
また、高画質な動画広告を配信するために、高画質で撮影できる機材は欠かせません。
広告を撮影するためのカメラや編集するためのパソコンなど、一式揃えるだけで費用もかかります。
撮影や編集なども素人では難しい側面もあるため、場合によっては他の人や会社に外注するのも選択肢のひとつです。
YouTube広告の種類と費用相場
出典:YouTubeヘルプ「動画広告フォーマットの概要」
ここまでYouTube広告の特徴やメリット・デメリットを紹介してきました。続いて、YouTube広告の種類や費用相場について解説していきます。
YouTube広告には7種類の広告があります。それぞれ、種類と相場費用について以下の表をご覧ください。
種類 | 説明 | 費用相場 | 課金方式 |
スキップ可能なインストリーム広告 | 動画の途中に再生される広告。広告が始まってから5秒経過すると、スキップ可能。 | ¥2〜¥25/クリック。30秒視聴も同様の金額 | CPV単価・目標インプレッション単価・目標コンバージョン単価 |
スキップ不可能なインストリーム広告 | スキップ不可の、15秒以下の広告。広告1000回配信ごとに、指定の料金が発生する。 | 1,000回あたり¥400〜¥600 | 目標インプレッション単価 |
インフィード動画広告 | YouTubeの検索結果や関連する動画の表示部分や、トップページに表示される、画像&テキストで構成された広告。 | ¥3〜¥20/クリック | クリック単価 |
バンパー広告 | 動画の前後に挿入され、必ず6秒以内に広告が終了する。 | 1,000回あたり¥100〜¥800 | 目標インプレッション単価 |
アウトストリーム広告 | YouTubeではなく、Google動画のパートナーのWebサイトやアプリに表示される、モバイル専用の動画広告。音声なしの状態ではじまり、広告をタップすると音声が流れ始める。 | 1,000回あたり10円〜500円程度 | 視認範囲のインプレッション単価(vCPM) |
マストヘッド広告 | YouTubeトップに表示され、、PCでは最大30秒音声がミュートで再生される。クリックするとYouTubeの動画再生ページへ遷移する。 | 1日あたり数百万円 | 広告枠の1日買い取りもしくはインプレッション単価 |
オーバーレイ広告 | 静止画もしくはバナーで、YouTube画面の下部に表示される広告。 | 3円〜20円程度/クリック・インプレッションは1,000回あたり400円〜600円程度 | クリック単価もしくはインプレッション単価 |
上記の7種類とも異なる特徴や単価感で設定されています。それぞれ特徴や費用相場を理解し、目的やターゲットに合った広告の種類を選択することが重要です。
YouTube広告の出し方(設定方法)
ここからは、YouTube広告の設定方法について4つのステップで説明していきます。
ステップ1:キャンペーンを作成する
まずはYouTube広告の管理画面を開き「新しいキャンペーンを作成する」をクリックします。
ステップ2:目標を選択し、キャンペーンタイプを選択
続いて、「目標を選択してください」と表示されますが、ここは気にせずに、右下の「目標を指定せずにキャンペーンを作成する」をクリックしましょう。
続いて「動画を選択」をクリックし、キャンペーンのサブタイプを選びます。
キャンペーンのサブタイプ選択では、動画のフォーマットを決めることができます。
自分が用意した動画のフォーマットに合うものを選べばOKです。
ステップ3:入札戦略や予算、日程、配信面を設定する
続いて、入札戦略や予算、日程、配信面を設定します。入力が終わったら、ユーザーの属性も選択していきましょう。
売りたい商品によってターゲティング設定も異なるため、広告を届けたいユーザーにしっかりと配信できるように丁寧に設定しましょう。
ユーザー属性の入力が完了したら、キーワードとトピック、プレースメントの入力を完了させます。広告動画に関連するキーワードを入力したり、競合となるサイトのURLを入力することができます。
ステップ4:動画を挿入して確認後、配信する
最後に、用意していた動画を挿入します。動画を挿入したら、URLも合わせて入力しておきましょう。
ここまで完了したら、モバイル版とデスクトップ版を確認します。見え方に問題がなければ、「キャンペーンに進む」をクリックしたら広告配信が完了します。
YouTube広告の事例
実際にYouTube広告がどのように活用されているのかが分かる事例をいくつか紹介します。
事例1:William Painter
サングラスのオンライン販売を行うWilliam PainterはYouTube広告を活用し、サングラスのオンライン販売を強化。
クリエイティブなストーリーテリングとTrueViewアクション広告を組み合わせ、ユーモア溢れる動画で視聴者とつながりを築きました。
動画は6500万回以上再生され、ウェブサイト訪問者は1500%増加、コンバージョンは1300%増加、売上は前年比13倍の成功を収めています。
事例2:ユナイテッド航空
ユナイテッド航空は、フライトを検討中のユーザーにチケットの購入を促しています。
絶景のなかで休暇を楽しむ人々が登場する 15 秒の動画を作成し、同社のマーケティング チームが TrueView アクションを使用して効果的な「行動を促すフレーズ」を作成い、ユーザーを直接ウェブサイトに誘導。
YouTube 経由のコンバージョンのうち、広告から直接生じたクリックスルーコンバージョンが占める割合は、52%であるそうです。
出典:YouTube Advertising「YouTubeの成功」
YouTube広告の運用経験者からの配信のコツ
これから運用を検討されているみなさんに向けて、YouTube広告を実際に運用した経験からコツを3点お伝えいたします。
コツ1.広告表示は分かりやすくする
YouTube広告の表示を文字だけで表示すると、読みづらく、狙った効果が発揮できません。動画広告では文字に加え、必ず映像や音声でも補足を加え、広告商品を分かりやすく説明してあげることが大切です。
コツ2.動画のテンポは早めがおすすめ
広告動画は指定された時間内にいかに広告に興味をもってもらえるかが勝負です。YouTube広告の見せ場はなるべく前半に持ってくるようにしましょう。
後半部分に見せ場があると、前半部分を視聴したユーザーが退屈して広告をスキップしてしまう可能性があるからです。また、動画広告のテンポもゆったりするよりも、早めのテンポで展開した方が、飽きられずに最後まで視聴してもらいやすくなります。
コツ3.検索窓はハッキリと表示させる
YouTube広告の1種であるTrueView アクション広告は、広告の下に次のアクションを促すCTAボタンを付けられます。
検索窓を付ける広告などもよく見かけますが、検索窓が小さいと、ユーザーに気にかけてもらえず、次のアクションに移行してもらえないことが多々あります。特に多くのユーザーはスマートフォンで視聴するため、検索窓は大きめに設定しておくことをおすすめします。
YouTube広告を上手く有効活用しよう
YouTube広告の特徴やメリット・デメリット、活用事例などについて紹介いたしました。YouTube広告はしっかりとターゲティング設定をすることで、届けたい属性のユーザーに効率よくアプローチができると、お分かりいただけたのではないでしょうか?
YouTube広告の種類もご紹介した通り全部で7種類もあり、費用相場や特徴も異なります。それぞれの広告種類の特徴を掴み、必要に応じて使い分けることが重要です。
YouTube広告の配信を検討している事業者の方はぜひ、本記事を参考にしてみてください。
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