Facebook広告とは?費用、ターゲティング、運用の始め方を解説
世界の主要SNSの月間アクティブユーザー数(2023年2月時点集計)で、約29億人に達したFacebook。多くの企業や個人が、このFacebook上で配信できる種類豊富な広告を活用しています。
本記事では、Facebook広告の運用を検討している方に向けて、その運用方法、費用やターゲティングについて、利益を上げるポイントなどを解説していきます。
この記事を読んでわかる内容
・Facebook広告の特徴
・Facebook広告のターゲティング方法
・Facebook広告の主な配信先
・Facebook広告を配信するための費用
・Facebook広告配信時にチェックすべき注意点とポイント
Facebook広告の特徴
Facebook広告の特徴は、配信設定の絞り込みによるターゲティングの精度の高さです。
国や都道府県だけでなく、市町村にまで地域を限定できます。年齢や性別、購入行動や電子機器の利用状況など、様々な項目で絞り込み、該当するユーザーに対して広告を届けることが可能です。
以下で、ターゲティングの方法について説明をしていきます。
Facebook広告の3つのターゲティング方法
企業の商品やサービスをより多くのユーザーに認知してもらうため、ターゲティングを細かく設定する必要があります。その上でまず、ターゲティング方法の理解は欠かせません。
Facebook広告には、以下の3つのターゲティング方法があります。
1.コアオーディエンス
2.カスタムオーディエンス
3.類似オーディエンス
順を追って説明をしていきますので、ご覧ください。
1.コアオーディエンス
コアオーディエンスは、ユーザーのプロフィール、Facebookページやアプリ上の行動でオーディエンスを作成する方法です。以下のキャプチャーは実際の設定画面ですが、このような項目を設定することができます。
設定できる項目について
利用者層 | 年齢・性別・言語・学歴・役職などのユーザーの基本情報 |
位置情報 | 広告を流したい国や地域 |
興味・関心 | 広告をリーチしたいユーザーの興味や関心 |
行動 | ユーザーの過去の購入の履歴やデバイスの利用状況 |
繋がり | 既にFacebookアカウントをフォローしている人、いいねをしたユーザー(これらを除くターゲティングも可能) |
例えば、あなたが「都心に住む主婦向けのプロテイン」のマーケティングを担当している場合、以下のような形でターゲティングをすると、興味を持つ方に向けて広告を届けることができます。
(例)
利用者データ:30-40代、女性、日本語、大卒
位置情報:東京
興味関心:エクササイズ、フィットネス・ウェルネス、ダイエット飲料
2.カスタムオーディエンス
カスタムオーディエンスは、自社のサイトやアプリのアクセスログや自社の顧客リストによって、オーディエンスを作成する方法です。1つの広告アカウントで、最大500種類のカスタムオーディエンスの作成ができます。
設定できる項目について
連絡先リスト | CRM(顧客管理システム)やメールアドレス、電話番号のリスト |
サイトのビジター | 自社Webサイトや、サイト内で特定のアクションを行ったユーザーを対象。広告マネージャからFacebookピクセルコード(*1)を生成し、サイトに埋め込む必要あり。 |
アプリの利用者 | 既にアプリをインストールしたことのあるユーザーを対象にFacebookSDK(*2)を実装して、トラッキングする必要あり。 |
*1:Facebook広告においてWebサイトを設置することで、広告の効果を測定することができるJavascriptで作成されたコード。
*2:Software Development Kit.の略。あるシステムに対応したソフトウェアを開発するために必要なプログラムや技術文書などをひとまとめにしたもの。
このターゲティング方法のメリットとしては、既に自社の商材・サービスの顧客になっている人、興味や関心を持っている人向けに、広告を流すことができるという点です。
先ほど例にも挙げた、「都心の主婦向けのプロテイン」の場合、新規顧客よりも既に購入した顧客に対して広告を流す方が、商品を既に知っている点や購入したいという気持ちがある点で、購入の可能性は高くなります。そのため、広告の費用に対する費用対効果が高い状態を作ることができます。
自社サイトへのアクセスや顧客リストとデータ数が少ない場合には、リーチできるユーザーが少なくなるので注意してください。広告を配信する前に、顧客の情報を貯め、費用対効果の高い広告効果を意識しましょう。
3.類似オーディエンス
類似オーディエンスは、カスタムオーディエンスをもとに、既存の顧客やサイトにアクセスした人など、既に購入の見込みのある顧客とよく似た傾向を持つ人をターゲティングする方法です。
見込みのある顧客との共通点が多いため、新規の顧客を獲得する可能性が高い方法です。
オーディエンスサイズは1〜10%まで設定が可能です。1%に近いほど、新規顧客にリーチされる範囲は狭まり、類似性が高まります。
それに対し、10%に近いほど、新規顧客にリーチされる範囲は広がり、類似性が低くなります。自社の顧客のデータを細かく分析しながら、調整をしてみましょう。
類似オーディエンスは、カスタムオーディエンスが100人以上いないと、作成することができません。精度の高い類似オーディエンスをするためには、1000-50000人が必要となるので、注意しましょう。
Facebook広告の4つの配信先
ここまで、Facebook広告とターゲティングについて説明しました。あなたの企業の商品やサービスのターゲットが決まれば、次はどこに広告を流せばいいのか気になりますよね。実は、Facebook広告には4つの配信先があります。
1.Facebook
2.Instagram
3.Messenger
4.Audience Network
4つの媒体で、どんな違いがあるのかを説明します。
1.Facebook
(出典:Meta)
Facebookでは、フィードや動画フィード、ストーリーズ面等の幅広い面への配信が可能です。
クリエイティブの中で、ユーザーに訴求したい部分の数字を大きくしたり、文字色を変えて、目線を惹きつけるなどの工夫が大切です。
2.Instagram
(出典:Meta)
Instagramは、写真や動画などを投稿する人気のソーシャルメディアプラットフォームです。写真や動画など、視覚に訴えかけるコンテンツを作成し、Instagram面に広告を表示することで、ユーザーにアクセスできます。
3.Messenger
Messengerは、Facebook上のメッセージアプリのことを指します。広告主は、ユーザーのMessenger Inbox内に広告を表示できます。
Facebook上で繋がっている人とのメッセージのリストに自然に溶け込んでいます。
クリックすると、このような文章とデザインの構成が続きます。
(出典:Meta)
知人から送られてくるようなカジュアルなクリエイティブにすれば、ユーザーにも親しみを持ってもらいやすいですね。
4.Audience Network
(出典:Meta)
Audience Networkは、Facebook広告をパートナーアプリやウェブサイトなどに配置する広告ネットワークのことです。他のものより配信範囲を広げられるため、多くのユーザーにアクセスをすることができます。
AudienceNetworkはFacebookやInstagramのみならず、外部のアプリやウェブサイトで掲載することができるため、使用することで多くの層に広告を認知させることができます。さらにそれぞれの媒体ごとに獲得が見込まれる時間に自動で配信を出し分けてくれるため、CPCやCPAが下がる可能性があります。
FacebookやInstagramとは別で、もし使用されるなら、下記のように使うことをおすすめします。
・広告を出稿する内容のターゲット層によって、配信するかを決める
・改善施策の一つとして、持っておく
ここまでは配信先について紹介してきました。このあとは、どのくらいのユーザー数にどんな目的で広告を配信するのかを決め、実際に配信するための事前知識をチェックしていきましょう。
Facebook広告の費用
web広告は予算をかければ、その分多くの人に届く可能性はありますが、ただ費用をかければいいというものではありません。「適切な予算をかけて、多くの見込みのあるユーザーに届ける」ということが、企業のマーケティングを担当する方にとって、優先順位が高いことですよね。そんなみなさんがFacebook広告を有効に使うために、広告配信にかかる費用について説明をしていきます。
Facebook広告の費用は、以下の4つの条件で決定されます。
1.入札価格
2.広告の品質と関与度
3.オークションに基づく課金
4.ターゲティングと広告の効果
各項目について見ていきましょう。
1.入札価格
まず、Facebookの広告主になる場合に、配信のために入札価格を設定するのですが、この入札価格が高いほど、広告の表示も上がる仕組みとなっています。
2.広告の品質と関与度
Facebook広告は、広告の品質と関与度を考慮して表示する順位が決定されます。前出の部分で、入札価格が高いほど良いという説明をしましたが、広告の品質やユーザーへの関与度が高ければ、入札価格が低くても高い順位に表示ができます。
3.オークション結果に基づく課金
実際に課金される金額は、オークションの結果によって決まります。他の広告主との競争で課金の金額が変動し、オークションの入札価格と広告品質によって、表示順位が決まる仕組みです。
4.ターゲティングと広告の効果
広告主が細かくターゲティングを行い、広告がユーザーの関心に合った人に向けて表示されるほど、広告の効果は高まります。効果的なターゲティングと広告のパフォーマンスは、広告費用に大きく影響を与えます。
あなたの企業の予算を最大限活用するためにも、「広告の目的」や「ターゲティングの設定」をしっかりと決めておく必要があります。チームで連携を取りながら、細かく内容を決めておきましょう。
最後は、
・Facebook広告の運用の始め方
・成功させるポイント
について注意点をまとめました。ここまで記事を読み進めたみなさんが、実際に運用を始める前に、ぜひ参考にしてみてくださいね。
Facebook広告の運用を始める際の注意点
①配信画像の数に気をつけましょう。
広告グループに広告が1つの場合は、配信が止まってしまう可能性があります。ですので、複数の広告を入れて、配信効率を回してください。
②Advabtage+クリエイティブに注意
Advabtage+クリエイティブとは、それぞれの利用者に合わせて自動で設定したメディアやテキストが組み合わせて出る機能です。利用者が最も反応しそうなものを予測して広告クリエイティブを出してくれるため、使い方によっては良い成果が出る場合があります。
しかしブランディングを大切にしている企業様だと、クリエイティブが自動で修正されてしまうのはリスクの可能性があります。案件や内容に合わせて、使用するかは決めてください。
Facebook広告運用を成功させる3つのポイント
①機械学習の強化
1日7~15件、週50~105件のCVを獲得する必要があります。より良い学習効果を与えるために、上記件数のCVを獲得してください。
②オーディエンス設定の工夫
興味関心、デモグラフィック、類似配信、メールアドレス類似など、かなり沢山のオーディエンス設定ができます。それらを色々と試してみて、自社に合うオーディエンスを開拓しましょう。
③クリエイティブが命
Facebookはどのようなクリエイティブにするかで、中身が同じでも成果がかなり変わってきます。
ABテストをなるべく早く回し、貴社における勝ちパターンや傾向をつかむことが、広告運用を成功させる鍵となります。
まとめ
Facebook広告の特徴や費用、チェックすべきポイントなどについて解説してきました。
細かくターゲティングすることも大事ですが、ターゲット層に対して、何を訴求すればいいかを決める。その上で、しっかりクリエイティブを作り込むことが大切です。
ここの作り込みを行うことで、少ない予算で広告を回すことが可能だからです。
どこまでいっても、最後に商品を買うのは「人」です。商品やサービスを届ける先にいる人がどんな人なのかが分からなければ、商品を届けることは難しいでしょう。
「自社の商品やサービスは“どんな層”に向けて作っているのか?」まず、この問いに向き合うことがFacebook広告の入り口かもしれませんね。ぜひ、この記事を参考にみなさんもFacebook広告の運用に挑戦してみてください。
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