KARTEとは?CXプラットフォームの主な機能の特徴や導入メリット、注意点を解説

KARTEとは様々なデータをインプットすることで、ユーザー軸でリアルタイムに解析・可視化し、一人ひとりに合わせた体験の提供を可能にするCXプラットフォームです。

2015年3月にサービスリリースされてから、現在では顧客数は645社※(株式会社プレイド:2024年9⽉期 第1四半期 決算説明資料より)と順調に成長しています。

※ KARTE導入数は非開示のため決算資料の顧客数を記載

人気の理由は、プログラミングの知識がなくても直感的な画面操作で簡単に接客シナリオを作成できたり、ユーザー一人ひとりの行動データを見ることで顧客体験の改善につなげられるなど、便利な機能が数多くあるからです。

一方、機能やオプションが多いことで、自社にどのパッケージを導入すべきか、他のマーケティングツールとの違いは何かなど、導入を迷われている方も多いのではないでしょうか。

事実、様々な企業様からKARTE導入のご相談いただく中で、豊富な機能を使いこなせるか、という不安の声が多いと感じています。

今回は、KARTE導入・運用コンサルティングにおいて経験豊富な当社コンサルタントが、主な機能をわかりやすく解説するとともに、導入のメリットや注意点など詳しく解説していきます。

目次

CXプラットフォーム「KARTE」とは?

KARTEとは、ユーザー軸でリアルタイムに解析・可視化することに長けたプロダクトで、一人ひとりに合わせた体験を提供するために、各パッケージは豊富な機能を有しています。

理想の顧客体験を実現するために、デジタル上のタッチポイントでのパーソナライズや適切なタイミングでニーズに合ったコンテンツを届けたり、ユーザーの疑問や不安を解決するためのカスタマーサポートが必要となります。

KARTEは、まさにそんな理想の顧客体験を実現するために、様々な機能を充実させています。さらに、KARTEの管理画面は洗練されたUI/UXのため、運用担当者は直感的な操作が可能なので日々の運用業務もストレスフリーな点が特長的です。

KARTEの主な機能

それでは、KARTEのパッケージと主な機能について解説していきます。

KARTEは理想の顧客体験を実現するために6つのパッケージを展開しています。それぞれの機能の概要は以下の通りです。

KARTEパッケージ

No.パッケージ名概要
1Web接客

KARTE Web
Web接客で顧客体験の向上やコンバージョン改善に必要な課題発見のためのユーザー行動解析や分析機能、施策実行の両方を兼ね備えたツール
2アプリマーケティング

KARTE for App
モバイルアプリの分析から施策実行までワンストップで実現、エンゲージメントを高めるためのパーソナライズされたシナリオ設定が可能なツール
3マーケティングオートメーション

KARTE Message
パーソナライズ配信の「省力化・可視化・自動化」を通して、サイト内外の顧客体験をつなぐ新しいMAツール
4リーン・サイト運営 プラットフォーム

KARTE Blocks
ノーコードかつ直感的な操作でサイト運営、ABテストやユーザーに合わせたパーソナライズ配信などサイト改善に必要な機能も充実したツール
5広告配信最適化

KARTE Signals
広告効果を根本的に改善する1st Party Dataの活用ワンストッププラットフォームでCookieレス対策と広告効果を可視化できるツール
6問い合わせ前の課題解決

KARTE RightSupport
顧客が抱える課題と最適解をマッチング。ノーコードで簡単にWebサポートを実現でき、サポート部門内でPDCAを内製化できるツール

上記以外にも、データハブという様々なデータ連携ができるプロダクトもありますが、別の機会に解説します。

※2024年5月時点の情報です。

それでは、各パッケージや主な機能について詳しく見ていきましょう。個人的な見解が含まれる点は一定ご容赦ください。

KARTE Web|Web接客

KARTE Webは、ユーザーの行動をトリガーにしたWeb接客や特定セグメントに対して配信制御できるなど、Web上でパーソナライズされた体験を構築するための機能が豊富に用意されています。

シナリオテンプレートが豊富で、GUIで簡単に設定、変更できるので、社内のエンジニアが不足していても、比較的簡単に施策を実施できる点が魅力の1つです。

施策の分析機能も豊富で、「どのセグメントに対して効果がでたのか、どのページでよくクリックされたか、など施策の改善につながる分析も簡単にできます。

KARTEはマーケターやサイト担当者が何を必要としているか、運用者の視点で管理画面が作り込まれている点は、他のツールにない特長だと感じています(あくまでも個人的な見解です)。

KARTE Webの主な機能

機能説明
Core
リアルタイムユーザー解析
Webサイトやアプリ上のユーザー行動をリアルタイムに解析し、施策を実行。あらゆるデータをユーザー軸に統合することで、適切なユーザー体験を実現するための機能です
Insight
ユーザー分析・施策分析
ユーザー行動を時系列で可視化、直感的な顧客理解が可能な機能です。行動チェーンで特定の行動を含むファネルの各ステップの該当者数・割合を定量的に可視化できます
Action
クリエイティブ作成
誰でも思い通りのクリエイティブをすぐに作れるノーコード・エディター。ポップアップの他に、埋め込みやアンケートなど様々なタイプのクリエイティブ制作が可能です
Talk
ウェブチャット
柔軟に編集できるチャット/FAQテンプレートを用いて、イメージ通りのサポート施策を提供することができます

画面イメージ

https://karte.io/package/webより参照

KARTE Webの活用をおすすめしたい人

  • エンジニアリソースが不足しているがWebサイト改善やWeb接客でKPIを改善したいサイト担当者の方
  • 顧客の課題やニーズを分析して、理想の顧客体験を実現したいCXデザイナーの方

KARTE App:アプリマーケティング

KARTE for Appはモバイルアプリの必要な分析から施策実行までをワンストップで実現できるサービスです。

モバイルアプリにはプッシュ通知が必要不可欠ですが、KARTE for Appは1配信あたり数百万ユーザー規模のプッシュ通知に対応しています。

さらに、KARTE Appで計測したデータを元にSQLなしで柔軟にプッシュ通知のターゲットリストを作成できるので、SQL等の専門的な知識がなくともターゲティングが可能です。

基本的な機能はKARTE Webと同じですが、KARTE for App特有の機能と逆に利用できない機能についてまとめました。

KARTE for Appの主な機能

機能説明
設定値配信ユーザー毎にアプリ内コンテンツの要素を書き換え
プッシュ通知顧客グループをSQLなしでリスト化して配信

アプリで利用したい機能

機能説明
リテンションレポートセグメント毎にユーザーのリテンション率を可視化
ジャーニー顧客行動を起点にしたシナリオ設定
データ連携自社データやAppsFlyer/Adjustなどのツールとの連携

https://karte.io/package/app/より参照

KARTE Appの活用をおすすめしたい人

  • アプリのプロダウト開発に大きな投資ができないプロダクトマネージャーの方
  • ユーザー行動に合わせたプッシュ通知やアプリ内通知でアプリのエンゲージメントを高めたい方

KARTE Message:マーケティングオートメーション

KARTE Messageはマルチチャネルでパーソナライズ配信を実現できるサービスです。

メール・LINE・プッシュ通知など顧客へのメッセージ配信を一元管理できるだけでなく、セグメントやユーザー行動を起点にしたシナリオ配信でパーソナライズされたコミュニケーションも実現できます。

KARTE Webと同様に直感的な画面操作でシナリオ設定できる機能性は、個人的に他のマーケティングオートメーションよりも優れていると感じています。

KARTE Messageの主な機能

機能説明
マルチチャネル配信メール・LINE・SMS・アプリプッシュなど、マルチチャネルの配信に対応
リスト管理ユーザー行動・属性をもとにSQL不要で簡単にフィルタを作成
キャンペーン管理HTMLメールを簡単に編集できるエディタ機能、リストの組み合わせも簡単に実現
シナリオ分岐ユーザーの行動に応じて、メールやプッシュ通知を出し分けることが可能
ステップ配信メールへの反応を元に、◯日後にリマインドメールを送るといったステップ配信が可能
変数の埋め込みユーザー名や購入した商品などパーソナライズ配信に必要なデータの埋め込みが簡単に実現

個人情報の管理は大丈夫?

メール配信は個人情報を取り扱うため、KARTEで問題なく運用できるのか、気がかりに感じている方も多いと思います。

KARTEでは個人情報の取り扱いを厳密に行うための権限設定やKARTE管理画面のアクセスに二段階認証・IPアドレス制限など、様々な制御ができるので、その点は安心です。

セキュリティについても、クラウドセキュリティ認証(ISO27017)をいち早く取得しており、世界基準のセキュリティ体制を構築しています。

KARTEに個人情報を送信する場合、利用規約上は個人情報の委託として取り扱われます。

https://karte.io/package/app/より参照

KARTE Messageの活用をおすすめしたい人

  • これからマーケティングオートメーションを始めたい人
  • ユーザー起点でCRMを推進したい人

KARTE Blocks:サイト管理・改善

KARTE Blocksは「リーン・サイト運営」というキャッチコピーの通りノーコードかつ直感的な操作でサイト運営ができるサービスです。

ABテストやユーザーに合わせたパーソナライズ配信などサイト改善に必要な機能も充実しています。

さらに、KARTE Blocks専用のブロックストアはプロがデザインしたテンプレートが40種類も用意されているので、手軽にサイト改善を始められる点も魅力の1つです。

分析機能も充実しており、サイト運営に必要な機能が網羅されています。

KARTE Blocksの主な機能

機能説明
リッチエディターブロック単位で置き換え、非表示、新規追加や並び替え
ブロックパフォーマンスヒートマップのようにブロックの表示数、クリック率、経由CV率を可視化
ユーザー別の効果探索ユーザーセグメントごとに変更パターンの効果を再集計
ライブリプレイ来訪セッション時のサイト閲覧の実際の様子を管理画面内の動画プレーヤー上で再現・確認

「KARTE Web」と「KARTE Blocks」の違いは?

KARTE Blocksはサイト運営をノーコード・ローコードで実現できる点に特化しています。
具体的には以下のような違いがあります。

  • ページ上の複数エリアを様々な条件で管理・運営できる
  • 同期処理のためファーストビューの変更時もチラつきやガタつきがない
  • ブロック毎のパーフォーマンス計測でクリエイティブの効果計測ができる

KARTE Webでも埋込機能でページの編集はできるのでその違いがわからない、という声が多いようです。

KARTE Webはユーザー軸で接客することに特化しているため、ページをダイナミックに変更したり、パーソナライズを管理・運用するような機能はBlocksとは明確に異なります。

これは、実際に運用してみないと違いが分かりづらいと思うので、別の機会にKARTE Blocksに特化したコラムを書きたいと思います。

https://blocks.karte.io/より参照

KARTE Blocksの活用をおすすめしたい人

  • サイトの改善を効率的に行いたいサイトの運営責任者の方
  • 広告運用やLPを担当されていて、CVR改善を実現したい広告責任者の方

KARTE Signals:広告配信最適化

KARTE Signalsは、データプライバシー保護による3rdParty Cookieの規制に対して、1stPartyデータを活用して広告効果を改善できるサービスです。

そもそも3rdParty Cookie規制の影響とは?

  • 規制によりコンバージョンデータが欠損してしまい
  • ターゲティング精度の低下してしまうことで
  • 媒体入札の機械学習精度の低下しCPAが悪化

こういった状況に対して、KARTE Signalsでは広告媒体のConversion APIを用い、欠損したコンバージョンデータを補完することで、広告効果の改善を実現します。

さらに、広告効果の可視化にも力を入れていて、売上・ROAS・LTVの可視化も可能です。

https://karte.io/package/signals/より参照

KARTE Signalsの活用をおすすめしたい人

  • コンバージョンデータの補完を行い広告効果を高めたい広告責任者の方
  • ラストタッチ・CPA重視の運用から継続購入やLTV重視の運用に変えていきたい方

KARTE RightSupport:問い合わせ前の課題解決

KARTE RightSuportは、ユーザーの困りごとを問い合わせの前に自己解決を促すことで、顧客体験を向上、満足度の向上を実現できるサービスです。

カスタマーサポート部門においても問い合わせ数を削減できるので、より具体的なサポートが必要な顧客の対応に時間を割くことできます。

具体的には、

  • 問い合わせ前の顧客行動を定量的に可視化
  • Web行動の録画データをもとにつまづきポイント特定
  • GUIで簡単に作成できるサポートウィジェットで先回りして解決

https://rightsupport.karte.io/より参照

KARTE RightSupportの活用をおすすめしたい人

  • 問い合わせ数が多くサポートセンター運営に課題を感じている方
  • 顧客の問い合わせを分析してサービスの改善やサイトの改善をしたい方

ここまでご覧いただきありがとうございます!

興味深い内容はありましたか?これでも簡潔にまとめたつもりですが、まだまだ語り尽くせないくらい豊富な機能や使い方があります。

これから各機能やその使い方についても、続々とコラムを書いていくのでご覧いただければ、とっても嬉しいです。

KARTEの利用料・費用について

KARTEは、各パッケージの導入時にかかる初期費用+月額利用料がかかります。

初期費用

導入時のオンボーディングプログラムや各種設定のサポートなどKARTEの各パッケージを利用するために必要なサポートが充実しています。初期費用は安心してKARTEを利用するために必要なものです。

月額利用料

月額利用料はパッケージによって基準が異なりますが、月間のユニークユーザー数やPV数などで変動します。

毎月、金額が変動するような従量課金制ではなく、過去の実績をもとに見積りを行い年間を通じた月額料金を決定する仕組みです。

ただし、途中で大幅にユーザー数に変動があるなど、変化があれば料金の見直しもあるのでご注意ください。

具体的な費用は、直接お問い合わせしてもらい見積りを取得してみることをおすすめします。

ただ、導入時にどのパッケージやオプション機能が自社に必要か判断することは想像以上に難しいので、当社のようなオフィシャルパートナーにご相談いただくことも1つの手段としてご認識いただけると嬉しいです。

もちろん中立的な立場で、アセスメントした上で、貴社にぴったりのパッケージをご提案いたします。

導入・運用コンサルティング費用

ツールの利用料の他に社内のリソースを充てられないなど、リソース状況でお困りの場合は、導入・運用コンサルティングを外部パートナーに依頼することを検討してみてください。

KARTEは様々な機能があるため導入時に各種設定や運用設計を適切にできていないと、後々のメンテナンス時に苦労することになりますので、ご相談いただくことをおすすめします。

KARTEの導入メリットは?類似ツールとの比較

ここまでの解説で、KARTEは他のツールと比較しても機能が豊富であることはご理解いただけたと思います。

ただ、マーケティングに必要な機能が備わっている訳ではなく、顧客体験の向上のために必要な機能が充実している点が他のツールとの大きな違いであり、最大の魅力です。

よくある比較表

当社でも様々なお引き合いからこういった比較表を作成することは多いのですが、これで本当にツールが比較できるか、というと微妙かもしれません。

マーケティングツールはあくまで手段です。しかし、現在のデジタルマーケティングにおいて必要不可欠な側面も多分にあることも事実としてあります。

あらためて何が目的で、誰に、何を提供することが会社のミッション、ビジョンの達成に資するのかを検討したうえで、導入を進められることをおすすめします。

KARTEの活用はOfficial PartnerのSORAMICHIへ

そんな私たちSORAMICHIですが、実は数十名のKARTE認定資格保持者が在籍する、業界トップクラスのKARTEのOfficial Partnerです。

KARTE導入・運用コンサルティングについては、様々な業界で数多くのご支援実績がありますので、お気軽にご相談ください。

また、KARTEの活用に留まらず、顧客理解をベースに上流の戦略設計から施策の企画・実装まで総合的にご支援することを得意としているコンサルティングファームですので、まずは壁打ちのような形でスタートさせていただければ幸いです。

KARTEの「即時性」と「拡張性」を生かして、新たなニュース体験を届ける——「TBS NEWS DIG」が目指す、日常でも非常時でも頼られるアプリ | CX Clip by KARTE

お気軽にご相談ください

まずはお気軽にご相談ください。以下のサービス概要や資料をご請求いただければ幸いです。

SORAMICHIの会社概要
KARTE導入・運用コンサルティングサービス
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この記事を書いた人

酒井 宏平

事業本部 金融領域部
部長

2008年、東京ファイナンシャルプランナーズ(現山田コンサルティンググループ)に入社。大手金融機関の人材育成支援やコンテンツ開発の提案営業に従事。

2014年、ライフネット生命に入社。マーケティング戦略・UI/UX・リサーチ・データ分析を担当。様々なプロジェクトのPO・PMを歴任。現在は金融業界向けのUI/UX・データ分析・CRM/MA導入・CXコンサルティングに従事。

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