問題の本質に辿りつく!なぜなぜ分析のやり方、コツ

Webマーケティングでは、思うような成果が挙げられない場合、広告運用やキャンペーン企画、ウェブサイトの最適化など、さまざまな方面から問題解決が求められます。

しかし、正しいアプローチを見つけることが難しく、「問題に対して適切な対策がとれているのだろうか…?」といった不安を感じることもあるでしょう。

また、マーケティング戦略の最適化にも苦労することがあり、「どの方向性を選べば本当に効果的なのだろうか?」と迷うこともあるかもしれません。

そこで、本記事ではWebマーケターの皆様に向けて、問題解決能力の向上とマーケティング戦略の質の向上に役立つ手法をご紹介します。それは「なぜなぜ分析」です。

なぜなぜ分析の力を活用することで、より確かな原因の特定と効果的な解決策の見つけ方を学び、マーケティングの成功に大きく貢献できることでしょう。

目次

なぜなぜ分析とは

なぜなぜ分析とは、トヨタ自動車が生み出した問題解決のフレームワークです。

1つの問題に対して5回の「なぜ」を繰り返すことで、問題の根本原因の明確化とそれに対する解決策を見つけることができます。

なぜなぜ分析をおすすめする3つの理由

1.問題の根本原因を特定できる

なぜなぜ分析は、問題を深堀りしていく過程で5回の「なぜ」を繰り返し、問題の根本原因に辿り着く手法です。

このプロセスにより、表面的な原因だけでなく、その背後にある潜在的な要因を明らかにすることができます。これにより、解決策をより的確に設定し、問題の再発を防ぐことが可能になります。

2.効果的な問題解決策の見つけ方が学べる

なぜなぜ分析は、論理的思考を促進し、原因と結果の因果関係を深く理解する手法でもあります。

このプロセスを通じて、問題解決における新たなアプローチやアイデアを発見する能力の向上を期待できます。

また、適切な解決策を見つけるための方法論を習得することで、将来的な問題にも対処しやすくなります。

3.効果的な戦略の策定と最適化

Webマーケティングは、ウェブサイトの設計やコンテンツ戦略、広告キャンペーンの実施など幅広い活動を含みます。

なぜなぜ分析を取り入れることで、ウェブサイトやキャンペーンの成果や問題点を深堀りし、その根本原因を特定することができます。

これにより、効果のあるマーケティング戦略を策定し、継続的に最適化するための洞察を得られます。

なぜなぜ分析のやり方・手順

では早速、なぜなぜ分析の進め方をご説明します。

手順①:問題(事象)の設定

なぜなぜ分析のはじまりで、もっとも重要なのが、問題(事象)の設定です。
以下のステップで問題(事象)を明確にしましょう。

STEP1:具体的な問題の設定

問題とする事象を具体的に設定します。問題が曖昧になるほど、原因も曖昧になり、最適な解決策を見つけることが難しくなります。

問題の設定例
 NG例①:先月の売上成績が悪かった
 OK例①:先月の売上が目標〇〇に対してXX%下回った
 NG例②:資料の提出が遅れた
 OK例②:X月X日納期の資料を〇月〇日に提出した

STEP2:問題が起こった経緯の整理

問題が設定できたら、その問題が起こった経緯を整理します。

問題の全体像を把握していないと、分析の過程で不明点が出てきます。不明点が出るたびに経緯を確認していると、「なぜ?」と「なぜ?」の繋がりが曖昧になる可能性があります。

経緯を整理するために確認したい事
 ・その問題の起点
 ・起点の発生に至った経緯や背景  
 ・一連の流れに関わったメンバー
 ・時間 、場所など

手順②:5回の「なぜ」で要素分解

問題(事象)とその経緯が整理できたら、「なぜ?」を繰り返して原因を深掘りします。

STEP1:「なぜ?」を 繰り返す

問題に対して「なぜ?」と問いかけて、その原因を挙げていきます。

STEP2:STEP1「なぜ?」の答えが論理的であるかを確認

「なぜ?」に対して論理的ではない答えが生まれがちなので、必ず確認しましょう。

 例:問題「●●とXXの箇所がチェックできていなかった」
   NG「注意が足りなかった」
   OK「チェック観点が認識されていなかった」

STEP3:「なぜ」とその答えが繋がっているかを確認

「なぜ」と問いかけた際に、その原因が飛躍している場合があります。 そうすると真因が見つけられず、最適な解決策が決められません。 防止策として、原因から「だから」で遡り、不自然な箇所がないか確認しましょう。

 例:NG「作業者が歩行中にこけた」→「床が濡れていた」
   OK「作業者が歩行中にこけた」→「床が滑りやすくなっていた」
       →「床が濡れていた」or「作業者の靴底がすり減っていた」
  ※「なぜ」の回数は5回に限らなくても大丈夫です


手順③:解決策の設定

問題の原因が分かれば、その要素(複数の場合もあり)に対する解決策を決めます。
その際に、以下の4つのステップで確認を重ねてブラッシュアップすると、より客観的で多角的な解決策になります。

STEP1:MECEで分析できているかを確認
STEP2:本当にこの策で問題解決できるのかを確認
STEP3:属人的な解決策になっていないかを確認
STEP4:実行可能な解決策かを確認


MECEとは・・・ MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)
「漏れなくダブりなく」という意味!

なぜなぜ分析の具体例

続いては具体例として、なぜなぜ分析を使って「ウェブサイトのコンバージョン率が低い」という問題を分析~解決策を作るまでの流れをご紹介します。

なぜなぜ分析を失敗しないためのコツ

なぜなぜ分析の目的は「真の原因を特定」し、それに対する「最適な解決策を見つけること」です。

しかし、最適な解決策につながらない失敗分析に終わってしまうことも、しばしばあります。注意したい失敗事例をご紹介します。


①原因を個人の問題としてとらえる

問題発生の経緯には、必ずといっていいほど「誰か」が関与しますが、「誰のせいか」で分析を進めると、具体的な解決策には繋がりません。

手順①に記載した通り、問題が発生した経緯を整理する必要がありますが、その際にby nameにしないのは、原因を個人にしないためです。

あくまで必要な情報は、「どんな人物が関与していたか」です。

例:業務知識があるのか、案件担当者なのか、など

「誰のせいか」ではなく「なぜ起きたのか」に注目し、フローやマニュアルなどの組織的な原因に目を向けましょう。

②解決できない事を原因ととらえる

分析を進めていく中で、「景気が悪いから」など、自分たちではどうしようもできない原因にたどり着く事があります。
その際は、それ以上分析を進めず、自分たちで解決できる原因を探しましょう。

③1つの「なぜ」に複数の要素を盛り込んでしまう

分析が曖昧になる理由に1つの「なぜ」に複数の要素が含まれていることが挙げられます。

例:「残業が多い」→「仕事量が多い」

上記のような分析をしてしまうと、「仕事量が多い」のは会社全体なのか、部署なのか、個人なのかと複数の要素を含めることになります。

これを避けるためには、できる限り具体的な情報を設定し、細分化しましょう。 (1つの「なぜ」から複数要素に分岐することは充分にあり得ます)

まとめ

なぜなぜ分析は、Webマーケターの大きな味方。何かしらの問題が起きてしまった場合、何か改善したい事象がある場合に、時間をとって分析するのに効果的なフレームワークです。

基本的に同じ問題の再発は避けたい(そのために原因を細分化し、最適な解決策を設定するのがなぜなぜ分析)ところですが、万が一再発した場合は、前回の分析結果に立ち返ると問題解決への時間も短縮できるでしょう。

問題が発生した時、改善が必要な事象が発生した時は、ひとまずこのフレームワークを試してみてください。新しい発見があるかもしれません。

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この記事を書いた人

灘本 萌のアバター 灘本 萌 デジタルマーケティング事業本部

デジタルマーケティング事業本部

2017年に新卒外食企業に入社し人材マネジメントを担当。その後、IT企業でPMO経験を経て2023年1月にSORAMICHIへ入社。
SORAMICHIでは金融業界を中心に、検索、ディスプレイ、アフィリエイトなどの広告運用をメインに担当。

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