タグマネジメントの歴史と導入メリット

マーケティングの効果・運用効率を向上させるためのツールとして、現在も多くのマーケターが活用しているタグマネジメントについて、その歴史を紹介します。

また、代表するタグマネジメントツール(Google、Yahoo!)とそれを活用するメリットも合わせて解説します。

目次

タグマネジメントとは

リスティング広告のイメージ

タグマネジメントとは、Webサイト内に書かれている複数のHTMLタグを統合管理することです。

Webマーケティングを行うには、Webサイトを作成して終わりという訳にはいかず、アクセス解析タグや広告配信タグといったマーケティングツールの導入が必要です。それらのタグが1つや2つであれば、それほど管理は大変ではありません。

しかし、現在ツールの機能向上や種類の増加によって、1つのWebサイトに複数のタグを挿入することが当たり前になってきました。その数は日増しに増えており、タグの数が20を超えるようなサイトも出てきています。

Webサイトの全ページに新たなタグを数多く手作業で挿入するのは大変な労力です。さらに、HTMLタグが大量に実装されたWebページは、複雑なコードを大量にロードする必要があり、読み込み速度に影響がある場合もあります。

必要なタグを迅速かつ適切に挿入したり、タグ読み込みの速度を向上させるためにもタグマネジメントツールを利用することが増えてきています。

タグ増加とタグマネジメントの歴史

タグマネジメントの歴史は浅く、2000年代から始まります。

2009年から行動ターゲティング広告が徐々に出始め、各社が行動ターゲティングやリターゲティングに取り組み始めました。

広告効果測定用のタグはLP(ランディングページ)やコンバージョンページだけに設置されますが、リターゲティングタグやアクセス解析タグはほぼ全ページに設置する必要があります。全ページに挿入するとなると手間がかかりますが、当時リターゲティング広告は主流ではなかったので、あまり導入されなかったこともあり、タグ管理はそこまで重要視されていませんでした。

2011年頃になると、ターゲットと予算を設定すれば自動で最適な広告配信を行ってくれるDSP(Demand Side Platform)が登場しました。

DSPの登場により、リターゲティング広告の配信が増加しました。これにより、広告主サイトの全ページに複数のDSPタグやリターゲティングタグを挿入することが珍しくない状況となりました。DSPはページごとに細かい運用も可能であるため、それに伴いタグの数も増加します。

2012年になるとレコメンドバナーが登場します。レコメンドとは、ECサイトなどでユーザーの購買履歴や行動履歴から好みを分析し、おすすめの商品を表示することです。加えて、SNS系のソーシャルボタンが出始め、タグ導入数が大幅に増加しました。

タグが増えたことにより、タグを手動で挿入する手間とコストがかかるようになったり、読み込みが遅くなったりと不都合が生じてきました。このような課題を解決すべく、タグマネジメントツールが登場したのです。

タグマネジメントツールを導入するメリット

ユーザーレビューのイメージ

タグの全体像をつかめる

どのタグをどのページに使っているのかを、タグマネジメントツールの管理画面にて一目で確認できます。タグの追加や削除を管理画面で簡単に行うことができるため、技術や知識がない方でも運用できます。

読み込み速度の改善が可能

タグの設置数が多くなるほどページの表示速度に影響を与え、読み込み速度が低下します。タグマネジメントツールを導入することで、複数のタグを設置する必要がなくなり、表示速度を安定させることができます。

条件指定のタグ管理ができる

サイト訪問者が特定の行動をした時だけタグを実行したり、サイトの滞在時間などに応じてタグを使い分けしたりすることができます。このような条件指定によるタグ管理ができるのもタグマネジメントツールを導入するメリットと言えるでしょう。

主要なタグマネジメントツール

GTMのイメージ

Google Tag Manager(Google)

無料のタグマネジメントツールで、Google AdwordsやGoogle AnalyticsといったGoogleの他サービスと連携が可能です。設定も簡単なのでGoogleをメインに広告運用を行っている広告主とは相性が良いです。

サポートはありませんが、ヘルプ機能が充実しているので技術がない方でも管理できます。広告がGoogleメインであれば、Google Tag Managerでの管理だけでもこと足りるでしょう。

Yahoo!タグマネージャー(Yahoo!)

Yahoo!が提供するタグマネジメントツールです。Googleとは異なり、Yahoo!に広告出稿している場合にのみ利用可能で、ビジネスIDの取得も必要です。タグ管理のしやすさといった観点では、基本的にはGoogle Tag Managerと違いは見られません。

Googleと比べると、サードパーティーの連携タグが多いことが特徴と言えるでしょう。これによりサイトの表示速度が上がります。また、Bright TagのDMPと連携していることもあり、Yahoo!をメインに広告出稿されているのであれば相性は良いでしょう。

タグマネジメントのトレンド

最近では、プライバシー保護の観点からAppleのITPなどのcookie規制が厳しくなったことで、Googleが対抗策としてサーバー側でタグを処理する「GTMサーバー」をリリースしました。

ブラウザ側ではなくサーバー側で管理することにより、ブラウザでの処理が減って読み込みが早くなったり、ブラウザにその分のデータを保存しなくてよくなるためセキュリティ対策やプライバシー保護にも繋がります。

Adobeも同様にサーバー側でデータの送信先や格納方法を制御する「AEPWeb SDK」をリリースしました。大手2社がともにサーバー側での管理に遷移したことで、今後のトレンドは自ずとサーバー側での管理になっていくといっても過言ではありません。

まとめ

ここ十数年でWebマーケティングが多様化し、タグの数が増加したことにより、タグマネジメントツールの必要性が向上しました。

タグマネジメントをすることにより、手間やコストを削減できるだけでなく、表示速度を安定させたり、条件指定などを用いた詳細なタグ管理が可能になります。

Webサイトにおける広告運用や効果測定に、タグ管理は必要不可欠なものとなってきています。ぜひこれを機に、タグマネジメントツールの導入をご検討ください。

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